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眼瞼下垂での手術&入院日記

2003/12/29作成、2004/05/11更新

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眼瞼下垂について はじめに(きっかけ)
調査 病院選び、そして検査
手術&入院 自宅での処置
抜糸 術後一ヶ月の診察
術後五ヶ月の診察 まとめ
リンク  


■眼瞼下垂について

 僕は2003/12/26に、眼瞼下垂の治療のため、手術を行いました。さて眼瞼下垂とはなんでしょう?
簡単に言うと、眼瞼(がんけん=まぶた)が下がってしまう病気です。僕の場合は、左側のまぶたが、右側のまぶたより2,3mmほどさがってました。眼瞼下垂では、「先天性」「後天性」「老人性」とあって、僕は「後天性」。子供のころは全く気にせず最近、やたらと気になってきて。
ずっとさがったままで、薬物では治らず、手術のみの治療となります。
このページでは、僕が眼瞼下垂を知って治療するまでの期間をまとめたものです。
これを機に、眼瞼下垂を皆さんに知っていただければ本望です。

■はじめに(きっかけ)

 以前から(いつかは忘れましたが)、左まぶたが下がっているな、と気にはなってました。履歴書や運転免許の顔写真や、遊びで自分の顔をデジカメでとって改めて見てみると、やっぱりどうもおかしい。自分だけ?なんて思ってました。
そして、今時間もあるし、自分の症状について調べてみるか!と思い立ちました。

■調査

 調査といっても、まずは相談。ネットで相談できるサイトがあったので、そこで。

「左目のまぶただけ下がっているのですが」

という相談をして、回答が帰ってきました。

「眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)では?」

と言われ、ネットで「眼瞼下垂」をしらみつぶしに調べました。
そうしたら、なるほど納得してきた。眼瞼下垂について理解できたし、ああ、自分はこれかもしれないな、と。
また、眼瞼下垂に伴う症状(肩凝りや偏頭痛)もあるとのことで、自分もそうだから、これを治せば、肩凝り、頭痛も良くなるのでは?と思い始めました。
そうなったらいてもたってもいられない、早速治療しよう!そして病院選びを行いました。


  本を調べていたら、こんなのが出てきた。
眼瞼下垂」 、「眼瞼・涙器疾患 - 眼瞼下垂・眼瞼内反・涙道閉塞 コンパクト眼科学 (14) 」、「眼瞼下垂
医学書なんですが、高いですね、、さすがに。
まあ、図書館等で借りて調べたほうがよさそうですわ。 こういう本って図書館にある?医大の図書館かな。

■病院選び、そして検査

 最初は近くの、俗に言う街医者に行こうかと思いました。ですが、これは手術だなーと思った私は手術、入院設備の整っている、地元の某大学病院にいくことを決めました。しかも、このとき、この症状が眼科なのか、整形外科なのかわからなかったので、とりあえず眼科に行って、違ったら整形外科にその場で回してもらおうという、大学、総合病院特有のメリットも考え、大学病院に決めました。調査して2日後には病院へ。

そして診察。そこではいろんな検査を行いました。視力検査から目に空気を吹き付ける検査、その他諸々、、忘れました。
なんだかんだでその日は朝1から行っていたんですが、夕方まで一日検査をしました。

結果、
「左目の眼瞼下垂」
と診断。その場で、
「手術しますか?様子見ますか?」
と言われ、手術する覚悟で言っていたので、その場で

「手術お願いします」

しかも、年内(この日は12月9日)にお願いします、なんて言って、大学側からの連絡を待ちました。
その2日後に別途血液検査をして、再び待機。

■手術&入院

 そして約2週間後、ようやく手術&入院の日程が決まり、僕は入院をしました。

●12/25(木)
入院開始、検査
  この日はほとんと何もしない。入院のオリエンテーションをして、血液検査をして、あとは翌日の手術に備えて待機。
明日の手術についていろいろ質問して、納得し、明日の手術を控え就寝、ビビリの僕はちょっとだけ眠れなかった。

余談
 僕は4人部屋に入りました。そこには既に3人いました。いずれもお年を召した方。まあ、A,B、Cさんとしましょう。
Aさんは白内障。明日退院。
Bさんはなんでも涙がとまらない病気。病名は不明。全身麻酔で、鼻の上の両サイドを切って、バイパスを繋げて涙腺を止める手術をした、と言っていた。
Cさんが白内障、でもその後、網膜はく離になって、しかも眼球に細菌が入ったとかで治療が長引いてるらしい。この日は眼球に注射をしたそうな・・僕はこの一言で手術にびびってしまった。僕は違うのにね。

●12/26(金)
手術
 この日は朝の2番目(10:30〜)からの手術予定。せっかくなら朝1がよかった。待ってる間、不安になる時間が少なくていい。しかも前の手術が少し遅くなって30分遅れた。僕はビビリなので、不安は増大。

そしてナースステーションからお呼びが
。いよいよかー
病衣に着替え、筋肉注射を打たれる。これは緊張をほぐすためのものであるが、この注射が痛い!普通のぷすっという注射とはわけが違う。

そして手術する場所へ移され、手術する台の手前まで来たときに、思いっきり緊張が走った。で、「トイレ行ってきていいですか?」と思わず言った。
ただの緊張だったので、出るもんはでなかったけどね。
用を足して、そのまま手術台へ。
いやー、独特ですよね、手術台。なんともいえない緊張感。よくテレビで手術台が移されるけど、現場はピリっとしてました・・もうなんともいえない空間・・・。
あれはなんですな、体験しないとわからない。手術なんて、患者は何もしなくていいから別になんてこたあないだろ!みたいなことを思っていたのですが、これから自分の身体を切られるという不安、これはなんともいえない体験。
執刀医の他に5人ほどいて、「これから手術を始めます。よろしくお願いします。」との合図で、僕にいろんな装置がついてきました。

「これから点滴しますねー、右腕を出してください」
「これから血圧を測りますねー、左腕を出してください」
「これから心電図を撮っていきますね、胸に器具をつけますね」
「これから足に心拍を図る装置をつけますね」

もうなすがまま、着々と、淡々に自分の身体にいろんなものがセッティングされていきます。これだけで心拍数は急上昇ですわ。しかも、今回のオペはまぶたのみの局部麻酔。当然話は全て聞こえる。僕の心拍数はヒートアップ。

で、ようやく手術の準備が整い、いざ手術へ。だけどさ、僕のヘタレはここでも悪さをする。偏頭痛が起きました。そして血圧も落ちてきた。
執刀医から
「takさん、局マ(局部麻酔)止めて、後日全マ(全身麻酔)しようか?」
といわれたんだけど、また手術台に寝るのはいやだし、期日を延ばしたくないので、
「このままお願いします」
と、か細い声でいいましたとさ。

ようやく手術開始。
局部麻酔のイヤなところはここでも続き、執刀医が何をやっていることがわかるんだよね
今、まぶたをメスでかっ切ってるなーとか、今、垂れ下がっている、余分な筋肉を電気メスで焼ききってるなーとか、術中に何やっているか勝手にイメージして自分を苦しめてしまうんだよね。僕はそういうヤツです。
だけど救いだったのが、看護師さんが僕の手をずっと握ってくれてたこと。そして音楽(クラシック)が流れていたこと。
中でも看護師さんが手を握ってくれたのは助かりました。心理的にかなり軽減できました。ありがとう、看護師さん!!

そしてようやく終了。
その後は部屋に戻され、その日は何もやる力がでず、休みました。

●12/27(土)
術後1日目
 翌朝、術後の経過を見るために眼帯をとってみたら、目が上がるようになってました。まあ腫れているんであんまりあげれないけど、術前よりは確実にまぶたがあがりました。

「うわ、ここまでまぶたがあがるんだ!」

これはうれしかった!やった甲斐があったよー
そして傷口に軟膏を塗り、感染予防や化膿を防ぐ薬を飲む治療が始まりました。

余談2
 この日、緊急入院、即手術の人が入院してきました。
A,Bさんは前日に退院していたので、その空きに入ってきました。
この人もCさんと同じく網膜はく離で、もう少し処置、手術が遅くなっていたら失明していたかも、と言われたそうです。
でもさー、この人の手術方法がまたすごい。眼球を引っ張り出して、眼球を顔の上に固定させ、眼球の裏側に剥離しているところを治す手術をしたそうな。
もうね、力が抜けるよ、聞くだけで。
そしてもっとすごいのが。ある妊婦さんなんだけど、もうすぐ生まれるってときに網膜はく離になってしまって、、その人は帝王切開で出産し、その後すぐに網膜はく離の手術に切り替えてやったそうな、、なんだかさ、ホント聞いてて力が抜ける。。

●12/28(日)
術後2日目&退院
 なんだかんだとこの日の朝10:00、退院です。実質3日間入院したな。まだまだ左まぶたは腫れているけど、上にあがるようになりました。
あとは自宅で薬と軟膏を塗る治療で、来年早々に抜糸を行いますということを告げられ、めでたく退院しました。ふー。

私的感想
 正直、手術は軽く考えてました。まぶたをちょこっと切るだけだろ、大丈夫だって、なんて思ってましたが、甘く見すぎてました。
でも、結果、手術してよかったです。今回の手術で視野も少なからず広がったし、なにより貴重な経験ができた。
医療に対する考えも変わったし、なにより医療に関わる人たちに尊敬の念が深まりましたわ。
医学は素晴らしい!医療に従事する全ての人は素晴らしい!と心から思える3日間。逆に盲信的にならないよう、心がけますが。
とはいえ、まだ腫れは引かないし、抜糸もしてないんで安心できないけどね。なにはともあれ、よかった。

■自宅での処置

その後、自宅に戻った僕は、傷口の消毒をして軟膏を塗る、という処置をしていました。
実際は、カット綿精製水皮膚清浄綿(商品名:リンスキン)綿棒を買ってきた。
(消毒にエタノールやアルコールはいけないようです。目の近くには絶対に使わないでくださいね)

まず、精製水を何かの皿(僕の場合は紙コップ)に入れ、カット綿にしみこませ、それで優しく傷口を拭く。
そして皮膚清浄綿で傷口を拭き、消毒。そして綿棒に軟膏をつけて傷口につける。
(このとき、看護師さんに言われたことは、最初、軟膏を少しだけ綿棒の枝のところにつけ(ばい菌防止)、そこから綿棒にたっぷりと塗り、つける)

あと、大変だったのがお風呂。とにかく抜糸までは傷口をかばいました。
僕がやったのは、アイパッチ(バンドエイドのデカイ版?)を買ってきて、お風呂に入る前につけ、水が入らないようにテープでコーティングしました。髪を洗うときも、顔がぬれないように上を向いて洗ってました。そのときに、耳に水が入ってくるので、耳栓をしてました。
これが抜糸まで毎日続けられます。しかも僕は朝、夜とシャワーを浴びるので、一日2回です・・

■抜糸

ようやく抜糸です。術後11日目です。
自分は身体に糸を縫う、ということをしたことがないので、抜糸するとき、痛いんじゃないか??と不安がってました。ヘタレですわ・・・
お医者さんに、「抜糸って痛いですか?」と聞いたら、「痛くないですよー」と言ってくれた。その後、「すみませね、不安でしょう?」と言われてしまいました。こっちがすんません、ヘタレなもので・・

抜糸はものの2,3分で終了。
傷口はといえば、まだ腫れてます。あとは時間が解決してくれるでしょう。
これでようやく、治療は終了しました。「あと一日だけ軟膏塗ってればOKですよ」
そしてやっと、お風呂に入るときにアイパッチをしなくてすむ!顔も普通に洗える!心は軽くなりましたとさ。
一ヵ月後、もう一度経過を診せに来てください、といわれましたので、いってきます。

■術後一ヶ月目の診察

術後一ヶ月が立つので、診察をしに病院にいった。ひさしぶりの病院。。
しっかし、相変わらずたくさんの患者さんがいる。こういう場にいると、本当に健康というものがどれだけ貴重、かつ得がたいものかがわかる。

最初に視力検査をして、その後、診察を受けた。

医師:「どうですか?かわったことはありませんか?」

僕:「ないですねえ」

なんて会話を交わし、僕が質問。

「どのくらいで腫れはひくんですか?」

正直言って、術後一週間から、そんなに腫れは変わっていない。なんだかこのままなのかな?と不安だった。

「そうですねえ、2,3ヶ月はかかりますね、デリケートな場所なんで」

と笑顔で返された。
現時点で、まだ下垂している。だけど、術前と比べればあがってるんだけどね。

「腫れが引いた頃には、下垂も解消されますよ」

その日がくるのが待ち遠しいです。

次回、3ヵ月後の5月に、診察の予約を入れ、病院をあとにしました。

■術後五ヶ月目の診察

前回の診察から3ヵ月後の診察。
相変わらず大学病院ってのは待ちますな。人多すぎ。。

前回とまったく同じく、視力検査からスタート。
これまた前回と同じ視力だった。でも最近、というか少し以前から目がかすむんだよね、悪くなっているのかな??

そのあと、診察があった。

医師:「どうですか?その後の調子は?」

僕:「問題ないですねえ、あ、でもまだ腫れは引かないですね。いつぐらいになったら完全に引くんでしょう?」

医師:「あと半年かなあ。気を長くもってね。あと、今後は問題なさそうなので、なにか問題が起きたら来てください」

てな感じで終了しました。まあ結果問題なしです。

あと半年、これで完全に腫れが引いてくれることを望みます。

■まとめ

病名 左、眼瞼下垂
治療方法 手術(術式:常筋短縮術)
入院期間 4日間
手術代 約5万円(個人負担分)

■リンク

管理人が、「眼瞼下垂」について知り、その後お世話になったサイトです。

子供の先天性眼瞼下垂を中心とした、眼瞼下垂のサイトです。
幅広く眼瞼下垂についてとりあつかっています。
知己に富んだ方がたくさんいて、相談できますよ。


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